無限にひろがる色
石にまつわる雑記帳です どうか気軽にお読み下さい
無限にひろがる色
昨年(2008年)の夏は、北京オリンピックが開催され、期間中はテレビに齧り付いていましたね。
特に日本人選手の活躍には感動させられ、メダルを受ける栄誉に輝いた人、惜しくも逃した人、それぞれにエールを送っていました。
オリンピックのテレビ放送では、NHK、民法各社とも趣向を凝らした取材と番組づくりがしのぎを削りますが、NHKのオリンピック放送では各大会で印象的なテーマ曲を採用し、いずれもヒット曲になっていますね。
近年は、
■アテネ大会:『栄光への架橋』(ゆず)
■北京大会:『GIFT』(ミスター.チルドレン)
で、いずれも印象的で大ヒットとなった曲です。
アテネ大会では、男子体操団体でのNHK刈屋アナウンサー実況「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」がテーマ曲『栄光への架橋』と重なり、名実況と言われました。
北京大会時のNHKテーマ曲はミスチルの『GIFT』
1番きれいな色ってなんだろう?
1番光ってるものってなんだろう?
で始まるこれも印象的な曲です。その年の紅白歌合戦でも特別枠で歌われていましたね。
日頃天然石を相手にしていると、色の事をよく考えますから、「一番きれいな色」「一番光ってるもの」という歌詞にはいろいろと思考が巡りました。
この歌には途中次のような歌詞も出てきます。
白と黒のその間に 無限の色が広がってる
君に似合う色探して やさしい名前をつけたなら
ほら1番きれいな色 今 君に贈るよ
降り注ぐ日差しがあって だからこそ日陰もあって
そのすべてが意味を持って 互いを讃えているのなら
もうどんな場所にいても 光りを感じれるよ
この曲には、「メダルの色を気にせず全力で…」という選手へのエールであるなど、ろいろと憶測も飛びましたが、大変深い意味合いの言葉を持った曲だと思います。
ラブソングの形をとりながら、哲学的でもあるような気がしてきます。
西洋的な考え方より東洋的な思考、見方によれば「禅」的でさえあります。
様々な形と色合いを持った石を手にするとき、白と黒そして透明から不透明までの無限の広がりを持つ色と向き合うこととなります。そして降り注ぐ日差しや照明の具合で自在に表情を変えて行く様を見ることにもなります。
決して無秩序な個性ではなく、多分に規則性に支配される鉱物という存在でありながら、ひとつひとつが異なる表情を見せるのです。そして広大な広がりと遙かな時間にまで思いを巡らせてしまいます。
手のひらに乗る大きさでとはいえ、なかなかどうして存分に楽しめるものです。
さらに、
市場でついた価格とは無関係にそれぞれが魅力を放っていることも侮れません。
さらにさらに、
石の見せる表情や色合いは、それを見るものの状態でも微妙に変化していくように思えます。心を写す鏡の役割さえ果たしているようです。
ちょうど1年前に、盛んに流れていたヒット曲がふと浮かび、石を手にしながら浮かんでいた思いが蘇りました。