レインボー水晶 光とは何か?part2
石にまつわる雑記帳です どうか気軽にお読み下さい
光とは何か?part2 レインボー水晶の虹色
レインボー水晶は大変人気の高い水晶の一つだ。
ただ鉱物の分類から言えば、レインボー水晶という種類はなく、ひとくくりに水晶と呼ぶことになる。
レインボー水晶は、水晶内にクラック(ひび割れ)を持ち、そのクラック面が光を反射する際に虹色の輝きを放つモノを言う。ただ、クラック面を持つ水晶が全て虹色の光を反射するわけではない。これは水晶内で薄い膜のように広がるクラック面の、微妙な塩梅が作用しているようだ。
さて、サイエンス雑誌『Newton 2007年7月号』の「光とは何か?」の特集の中では、シャボン玉やCD・DVDの表面を例にとって、光の干渉を説明している。シャボン玉やCD・DVDの表面が虹色に色づくのは、光の干渉によって引き起こされ、物質自体が持っている色ではないので構造色と呼ばれるのだそうだ。レインボー水晶内で見える虹色の光も、光の干渉が引き起こすもののようだ。
レインボー水晶は内部にクラック(ひび割れ)を持つのだが、このひび割れ(隙間=空間)は大変狭く膜のように広がっている。そして鏡のように光を反射している。空間が光を反射するわけではないので、この空間の両側の面が光を反射する。レインボー水晶の虹色は、この面が光を反射する際に起こる光の干渉が作用している。光の干渉はこの空間のわずかな幅によって引き起こされる。前面での反射と後面での反射が、波長の異なる光を強めたり弱めたりすること=干渉によって虹色に見えるのだそうだ。部分的には青色が強められたり弱められたり、赤色がそうだったりと… 複雑な干渉の作用が反射する光を虹色に見せているわけだ。そして見る角度によって色合いが違ってくる。ただ全てのクラック面が虹色の反射を引き起こすわけではないのが奥深い。
レインボー水晶の人気は虹色の美しさと、「特別な条件を備えた」結晶内で起こる光の妙によると言える。クラック=ひび割れはマイナス要素なのかもしれない。しかし、それ故に際だつ美しさと個性を備える事ができるとも言えよう。
レインボー水晶が好まれるもう一つの理由として、ヒーリングに使用される点があげられる。
美しい虹色を宿した水晶を手に取ったり見つめたりしていると、心が落ち着いてきたり、いやされたり、新たなビジョンが浮かんだりということなのかもしれない。
光の色が人の心に作用するという点は様々な場面で語られる事だが、虹は「希望の象徴」というイメージが強く有り難がられる。様々な波長(色)が混ざり合って特定の色を持たないように見える太陽光を反射して、赤から紫へのグラデーションを示す虹は、光が持つ本来の姿をかいま見させてくれる。そんな虹は「思い悩んだ時の指針」であり「真実を表す」象徴なのかもしれない。